ビルトインは建物の壁や天井に設備を埋め込む方式です。部屋を広く見せる効果があるので、人が多く出入りするロビーなど公共の場で多用される傾向にあります。また、設備が持つ武骨な質感によって装飾のバランスが崩れるリスクを回避できるのもビルトイン式の利点です。出力が大きい業務用エアコンはサイズが大型になりやすく、部屋のどこに設置しても圧迫間が生じる事実は否定できません。
開放的な雰囲気を演出するために、ビルトイン式のエアコンを導入するケースは少なくないと言えるでしょう。一方でビルトイン式ならではの注意点があります。業務用エアコンはサイズが大きいため、壁や天井に埋め込む際はリフォーム工事が大掛かりになるのも事実です。また、配線や配管など付随設備もすべて建材の内側に埋設することから、メンテナンスや修理に手間がかかります。
単に取り付けるだけよりも費用が嵩むことから、導入は慎重に判断しなければいけません。建物の構造もビルトイン式導入の可否を決める重要な事柄です。柱や梁、配線などがある部分には埋設できない他、壁や天井の空きスペースも事前に確認する必要があります。特に古い建物や狭い敷地にある建物はスペースの空きがほとんど無いことも珍しくないことから、サイズが大きな業務用エアコンの埋設は容易ではないと言えるでしょう。
あくまでも室内の雰囲気を損なわないための選択肢と捉え、こだわり過ぎないことが快適に過ごす工夫になります。